I様の愛犬Cちゃんは、なんと19歳のトイプードルの女の子。淡いベージュのふわふわとした巻き毛がとても愛らしい子でした。
Cちゃんはご夫妻の娘さんがフィリピンでお仕事をされていた際、家族として迎えられた子。その後、娘さんの帰国とともに海を渡り、I様のご自宅へやってきました。ご夫妻の深い愛情に包まれ、その穏やかな表情からは、たくさんの幸せな日々を送ってきたことが伝わってきます。
実はI様のご主人は入院中。Cちゃんの訃報を聞かされ、涙を流されたとのこと。お散歩に行ったり、一緒に眠ったりまるでわが子のように過ごしていたのでしょうね。そして奥様もまた、Cちゃんへの深い愛情から、あるお気持ちを打ち明けてくださいました。
娘さんはこの度、カナダへ永住されることが決まっていました。奥様は、娘さんのお見送りにどうしても空港へ行きたかったそうです。Cちゃんの容態が思わしくなく、ハラハラされたそうですが、「この子は私を空港まで行かせるために虹の橋を渡ったのかしら...」と涙ぐんでいらっしゃいました。「おとなしくて、体は丈夫で本当に手のかからない子でした。」Cちゃんのことを話してくださるたびに、いろんな思いがこみ上げてくるようでした。
お骨になったCちゃんの爪の骨と歯を、お守り代わりにカプセル型の分骨ケースに収め、ぎゅっと握り締めていた奥様。ご主人のいない間の出来事で、心細かったことでしょう。でも安心してくださいね。I様ご夫妻と娘さんの今後を、Cちゃんはきっと守ってくれることでしょう。